戦国の世を見つめた難攻不落の穴城。信州小諸「小諸城址(懐古園)」

小諸といえば“小諸なる古城のほとり 雲白く遊子(いうし)悲しむ”の小諸城址(懐古園)です。北に浅間山を控える城下町・小諸の地には浅間山の火山灰地が浸食された深い谷が幾筋も走り、小諸駅の南東に位置する小諸城は、城としてはめずらしく城下町よりも低い場所に立つ穴城です。背後の谷筋を空堀に見立てて城後方の守りの要とし、仙石秀久、2代忠政の代に完成をみた後ろ堅固の城なのです。

城内は枡形を多用し、要所要所には橋や櫓、門を構えるなど、敵の侵入に備えた造りでした。ほとんどの建物は廃藩の際に壊され、鹿島神社が祀られる懐古園となったが、現存する建物のひとつに「三の門」があります。その三の門に行く前に市街地にある「大手門」を見に行きます。小諸城の表玄関にあたり慶長7年(1612)に仙石秀久により築かれました。小諸城としてはこちらが正門で本丸から数えて4番目の門であることから「四の門」とも呼ばれています。

三の門は国の重要文化財で、自然石をそのまま積み上げた野面積みの石垣が、そびえ立つ寄棟造り瓦葺きの門にさらなる迫力を与える。威風堂々としながらも、どこか哀愁漂う雰囲気も醸す。その上の塀には、弓矢や鉄砲を撃つための矢狭間・鉄砲狭間が設けられ、戦国時代を生きた門の特徴を残す。三の門に掲げられた「懐古園」の文字は、徳川16代家達によるものである。

小諸城址の背後は断崖絶壁で、谷の底部には千曲川の流れが見える。藤村の「千曲川旅情の歌」で「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ・・・」と詠まれ全国的に有名になったのです。

また名曲「上を向いて歩こう」という歌の歌詞は、永六輔さんが戦時中に小諸に疎開に来て、疎開先でいじめられて、懐古園を一人 歩いていたときのおもいを詩にしたもの。
上を向いて 歩こう ♪
涙が こぼれないように
思い出す春の日  一人ぽっちの夜